で「愛犬の毛がどんどん抜けていく…」
「アロペシアXと言われたけど、どんな病気なんだろう…」
「アロペシアXの脱毛は治るの?」
気づいたら、愛犬の身体の毛がだんだん抜けてきて、皮膚が目立ってきたということはありませんか。
もしかすると、それはアロペシアXが原因の脱毛かもしれません。
急にわんちゃんの毛がなくなってきたら、大きな病気にかかっているのではないかと、飼い主さんはとても心配ですよね。
脱毛の範囲が大きくなるにしたがって、改善するのにも時間がかかってしまうので、アロペシアXが疑われる場合は早期に対処しなければいけません。
今回はアロペシアXの原因や対策について、獣医師であり著者の宿南章(しゅくなみあきら)先生をお招きして、詳しく聞いてみることにしました!
1.アロペシアXとは?
1-1.犬の毛周期(発毛サイクル)について
まず初めに、犬の毛周期(発毛サイクル)について説明します。
毛周期というのは、毛の生え変わる周期のことです。
人間も同じですが、わんちゃんの毛も一定のサイクルで毛が生えては抜け落ちて、また新しい毛が生えてという一連の流れを繰り返すことで、常に皮膚上に毛が生え揃っています。
発毛のサイクルは、
画像出典:https://magazine.vdt.co.jp/954/
- 成長期(毛が成長する時期)
- 退行期(毛の成長がストップする時期)
- 休止期(古い毛が抜け落ちる時期)
の大きく3段階に分けられます。
成長期は、毛がどんどん伸びていく時期で、毛母細胞という毛の元になる細胞が、細胞分裂を繰り返すことで長い毛に成長していきます。
毛がある程度成長すると、退行期という成長がストップする時期に入ります。
退行期には毛母細胞が死んで、毛の根元部分がだんだんと皮膚の上に押し上げられ、抜ける準備を始めます。
そして、休止期に入ると、皮膚の表面に押し上げられた古い毛の下に、新しい毛が成長を始めます。
新しい毛が生え始めると、それに押し上げられる形で、古い毛は自然と皮膚から抜け落ちていきます。
わんちゃんの毛をブラッシングをして、抜けているのは、この休止期に入った古い毛なんですね。
このように、発毛サイクルが正しく繰り返えされているからこそ、わんちゃんの身体の毛がふさふさに覆われているわけです。
なぜ、このような毛周期によって毛の生え変わりが繰り返さえているかというと、それは身体が新陳代謝を行っているからです。
新陳代謝というのは、古いものが新しいものに入れ替わることで、動物の身体は新陳代謝によって、常に古い細胞が新しい細胞に作り替えられています。
先ほど説明したとおり、毛の元になるのは毛母細胞なので、同じく新陳代謝によって、新しいものに作り替えられていくんです。
1-2.アロペシアXについて
そもそも、「アロペシア」というのが何なのかということですが、英語で脱毛症を意味しています。
「X」というのは、未知のものやよく分からないものに使います。
つまり、アロペシアXというのは、原因がよく分かっていない犬の脱毛症のことなんですね。
アロペシアXの原因は未だに解明されていませんが、何らかの原因によって、犬の毛の発毛サイクルに異常を来して、発毛が停止してしまうことで起こる脱毛症です。
そのため、新しい毛が生えて来なくなり、結果的に身体の毛が脱毛してなくなってしまいます。
アロペシアXは、1歳から4歳ぐらいの比較的若い年齢のわんちゃんに発症する傾向があります。
初期症状としては、首周りや太ももの裏側から脱毛が始まることが多いです。
この脱毛は頭部や四肢を除く、ほぼ全身に拡大し、左右対称性に進行していきます。
また、アロペシアXになりやすい犬種としては、
- ポメラニアン
- トイ・プードル
- シベリアン・ハスキー
- パピヨン
- チワワ
- チャウチャウ
など多くの犬種で発生します。
中でも、特にポメラニアンはアロペシアXになりやすいので、アロペシアXはポメラニアン脱毛症と呼ばれていたこともあります。
アロペシアXを発症すると、特に長い毛に覆われている犬種では、見た目の影響が大きくなりますが、直接命にかかわることはありません。
2.アロペシアXの症状
犬のアロペシアXは、発症すると次のような症状が現れます。
画像出典:https://takeuchi-ah.com/report/1936
- 左右対称の脱毛
- 毛艶の低下
- 乾燥した毛
- 色素沈着
アロペシアXは、毛周期に異常を来して発毛しなくなってしまうため、まず起こるのは脱毛です。
脱毛の仕方も特徴的で、左右対称に脱毛していき、アロペシアXでは頭と四肢には脱毛が起こりません。
毛周期に異常を来すということは、毛が十分に成長することもできなくなるということなので、毛に栄養を送ることができなくなってしまい、毛艶も悪くなってしまいます。
また、アロペシアXは毛の成長に問題が出てくるため、うまく栄養を取り込めないのと同時に毛の中に水分を保持することも難しくなるので、生えてきた毛が乾燥した毛になることが多いです。
そして、メラニン色素が沈着して皮膚が黒ずむのもアロペシアXの症状の一つです。
メラニン色素というのは、動物の身体に色を付けるための色素のことですが、紫外線のような外部からの刺激からダメージを受けないように守る役割があります。
つまり、身体にとってはメラニン色素は必要なものなのですが、過剰に増えると皮膚に色素が沈着して黒ずみの原因となるわけです。
では、なぜメラニン色素が過剰に増えるのかというと、通常はメラニン色素も新陳代謝によって自然と対外に排出されるのですが、皮膚の新陳代謝に異常を来すと、メラニン色素が排出しきれなくなり、色素が沈着してしまうからです。
さらに、脱毛が進むと普段は毛に覆われている皮膚が露出してしまうため、外部からの刺激を皮膚が直接受けてしまうため、皮膚にも様々な問題が起こる可能性があります。
例えば、皮膚にはバリア機能というものが備わっていて、ウィルスが侵入するのを防いだり、身体の水分が蒸発するのを防いだりしているのですが、毛を失った皮膚はバリア機能が低下して、ウィルスに感染しやすくなったり、乾燥しやすくなります。
多くの皮膚炎では、他の症状とともに皮膚の痒みが生じることがほとんどですが、アロペシアXでは皮膚にかゆみが起こらないという特徴があり、他の皮膚炎との大きな違いだと言えます。
3.アロペシアXの検査法
アロペシアXには、この検査をすれば確定診断できるという検査方法は、残念ながらありません。
犬の皮膚病には、同じような症状が出てくるものが数多くあるため、アロペシアXを診断するためには、検査を行って他の病気を除外していく必要があります。
3-1.血液検査
アロペシアXは、皮膚にかゆみがないというのが症状の特徴ですが、かゆみを伴わずに脱毛する他の病気もあるため、診断するためには、まずそれらの病気にかかっていないかを調べます。
そのために行うのが、血液検査です。
主に、甲状腺(甲状腺機能低下症)や副腎ホルモン系(副腎皮質機能亢進症)の内科的な病気で脱毛が起こるため、この2つの病気の有無を調べます。
また、アレルギーで皮膚炎を起こして、その結果脱毛を起こしたのかどうかも調べる必要があります。
具体的な検査の内容は、
- 甲状腺ホルモン濃度測定(甲状腺機能低下症)
- 副腎ホルモン濃度測定(副腎皮質機能亢進症)
- アレルギー検査(アレルゲン特異的IgE抗体検査)
の3つです。
それぞれ詳しく説明していきます。
3-1-1.甲状腺ホルモン濃度検査測定(甲状腺機能低下症)
甲状腺というのは、わんちゃんの喉のあたりにある臓器です。
画像出典:https://marimo-vet.com/blog/cre/
甲状腺では、甲状腺ホルモンというホルモンを作っています。
甲状腺ホルモンは、血液の循環によって身体の各臓器に運ばれていき、細胞の新陳代謝を活発にする働きがあります。
甲状腺機能低下症は、この甲状腺ホルモンの分泌量が低下してしまい、新陳代謝に異常を来してしまう病気です。
つまり、甲状腺機能低下症を発症すると、新陳代謝が落ちてしまうため、古い細胞が新しい細胞に入れ替わる速度が低下するので、元気がなくなったりします。
新陳代謝が低下するということは、毛母細胞にも影響を及ぼすため、甲状腺機能低下症によって脱毛の症状も現れてくるんですね。
甲状腺機能低下症かどうかを調べるためには、TSH(甲状腺刺激ホルモン)やT4(甲状腺ホルモンの一つ)などの数値を測定します。
TSHは甲状腺を刺激して、甲状腺ホルモンの分泌を増加させる働きがあり、脳下垂体から分泌されているホルモンです。
甲状腺機能低下症では、甲状腺ホルモン量が低下してしまうため、検査によって基準値より低いと、甲状腺機能低下症である可能性が疑われます。
3-1-2.副腎ホルモン濃度測定(副腎皮質機能亢進症)
副腎皮質機能亢進症は、クッシング症候群とも呼ばれています。
副腎というのは、左右の腎臓の上にあり、肝臓や腎臓などの臓器に囲まれて存在している臓器です。
画像出典:https://hotto.me/10850
副腎は内側と外側の2つの部分で構成されていて、外側部分を副腎皮質と呼んでいます。
副腎皮質では、コルチゾールとアルデステロンという2つのホルモンを作っています。
コルチゾールとアルデステロンは、血糖値の調整や血圧の調整、たんぱく質等の代謝など、生命を維持するために重要な役割を果たしています。
副腎皮質機能亢進症では、コルチゾールが過剰に分泌されてしまうことで、身体に様々な症状が現れます。
コルチゾールは、たんぱく質などの代謝に関わっているため、過剰に分泌されてしまうと、代謝のバランスも崩れてしまいます。
その結果、代謝によって被毛の生え変わりを行っている毛周期のバランスが崩れると、脱毛症状が現れます。
副腎皮質機能亢進症が疑われるときは、コルチゾールの値を調べます。
通常は、体内ではホルモン量を一定にする働きがありますが、副腎機能亢進症になると、コルチゾールが必要以上に分泌されてしまいます。
副腎機能亢進症の検査では、単純にコルチゾールを測定する方法と、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)を注射して、コルチゾールの数値の変化を調べる方法があります。
ACTHというのは、脳の下垂体視床下部から分泌されるホルモンで、このホルモンにはコルチゾールの分泌を促す働きがあります。
ACTHを注射してコルチゾールを最大限に分泌させ、1時間後ぐらいにコルチゾールの値を調べて、副腎機能亢進症があるかどうかを確認します。
副腎皮質機能亢進症が進行すると、免疫力が低下するため、皮膚病などにかかりやすくなってしまいます。
そのため、副腎皮質機能亢進症では、脱毛をはじめとする皮膚トラブルを起こしやすくなるんですね。
アロペシアXの脱毛は、クッシング症候群と似ているため、偽クッシング症候群とも呼ばれています。
3-1-3.アレルギー検査(アレルゲン特異的IgE抗体検査)
アロペシアXが疑われた時も、アレルギーがないかどうか検査によって確認します。
そもそもアレルギーというのは、免疫が過剰に反応している状態のことをいいます。
免疫は言わば防御機能のことで、通常は外部から異物が入ってきたときに攻撃をして、身を守る役割をしています。
ところが、アレルギーがあり免疫システムに異常を来すと、特定の異物に対して、免疫が異常に反応してしまい、攻撃の対象が異物だけでなく、自分自身に向いてしまいます。
その結果、皮膚などにかゆみや脱毛などを引き起こすんですね。
具体的には、採血をしてどのようなアレルゲン(アレルギーを起こす原因となる物質)に反応するのかを調べます。
IgE抗体と言って、アレルゲンに対して体内で作られる抗体を調べることで、どんな物質に対してアレルギーがあるのかが分かります。
わんちゃんのアレルギーについては、飼い主さんも気づいていない場合もあるので、検査によって初めてわかったというケースもよくあります。
3-2.画像診断(レントゲン)
脱毛が起こる原因には、内科的な疾患が根底にある場合があります。
そのため、レントゲンやCTなどの画像を撮って、腫瘍の有無や臓器に腫れがないかなどを調べます。
アロペシアXによる脱毛なのかを確定診断するためにも、画像検査を行って、隠れた病気が無いかどうかは必ず確認します。
3-4.その他(他の皮膚病除外のため)
アロペシアXは特定の検査によって、すぐに確定診断がつくものではありません。
したがって、アロペシアXであると診断するためには、他の病気で起こっている脱毛でないことを確認する必要があります。
先述の検査に加えて、
- 皮膚検査(セロハンテープ・スライドガラス検査、掻把検査)
- 真菌培養検査
などを必要に応じて行います。
3-4-1.セロハンテープ・スライドガラス検査
皮膚検査は、一般的によく行われている検査です。
皮膚にセロハンテープやスライドガラスを押し付けて、菌が繁殖していないかどうかを調べるのが、セロハンテープ・スライドガラス検査です。
マラセチア皮膚炎や膿皮症など、マラセチア菌やブドウ球菌が増えることで起こる皮膚病の有無を調べることができます。
3-4-2.掻把検査
掻把(そうは)検査というのは、皮膚の表面を少し掻き取って、その組織を顕微鏡で見る検査です。
ヒゼンダニなどが、いないかどうかを検査するときに行って、感染症にかかっていないかどうかを調べることができます。
3-4-3.真菌培養検査
真菌培養検査は、わんちゃんの毛を少し抜き取って、特殊な検査キットの中で菌が増殖するかどうかを顕微鏡で確認する検査です。
真菌培養検査は、主に、皮膚糸状菌症という皮膚病を調べるときに行います。
皮膚糸状菌症は、皮膚糸状菌という真菌(カビの一種)が感染することで起こる皮膚病です。
このような検査を行っていって、他の病気を除外することで、アロペシアXによる脱毛であると確定診断します。
4.アロペシアXの治療
4-1.投薬(内服薬・サプリ)
先に説明したとおり、アロペシアXは根本的な原因というのが分かっていません。
そのため、確実な治療法というのが明確ではないのですが、幾つかアロペシアXに有効とされる治療法があります。
その一つが、内服薬による治療です。
アロペシアXには、ホルモンを調節する薬が効果的なことがあり、アロペシアXだと診断された場合に甲状腺ホルモン・副腎皮質ホルモンなどに働きかける内服薬が使われることがあります。
ただ、ホルモン調整薬はアロペシアXに効果が期待できる反面、副作用の危険もあるため、使用は慎重に行われます。
また、アロペシアXに効果が期待できるというサプリやビタミン系のサプリを使用すると、脱毛が改善する可能性もあるため、アロペシアXではサプリを使うこともあります。
内服薬に比べると、サプリは副作用もほとんどないところが、大きなメリットなので、アロペシアXに使われることが多いですね。
4-2.マイクロニードル
マイクロニードルというのは、極小の針のことです。
アロペシアXの治療では、その小さな針のついたローラーで皮膚を刺激します。
マイクロニードルを使って皮膚を刺激すると、細胞を活性化させることができます。
毛母細胞を活性化させることができると、抜けてしまった部分の毛を再び発毛させることが期待できるんですね。
アロペシアXは、細胞自体が死滅したりなどの問題があって脱毛しているわけではなく、毛周期にトラブルがあって発毛しなくなることが問題なので、細胞へ刺激を与えて活性化させることが有効だと考えられています。
ただ、マイクロニードルを使った治療は痛みを伴うため、治療時には局所麻酔か全身麻酔を用いるので、わんちゃんには少し負担がかかる治療です。
マイクロニードルを使用して、アロペシアXを治療するときは、しっかりと獣医師と相談しながら行うことをおすすめします。
4-3.去勢・避妊手術(性ホルモン失調症)
未去勢・未避妊のわんちゃんがアロペシアXを発症した場合は、まず去勢・避妊手術を検討します。
その理由は、アロペシアXがホルモンの影響によって、発症するのではないかという見解があるためです。
去勢・避妊手術を行うと、雄では精巣を雌では卵巣を除去するため、男性ホルモン・女性ホルモンを分泌する機能を失います。
そこで、去勢・避妊手術を行うことで、ホルモンの影響により起こると考えられるアロペシアXが、改善するのではないかと考えられているのです。
もちろん、アロペシアXは原因が明確になっていないため、去勢・避妊手術を行ったからと言って、確実にアロペシアXが回復するというわけではありません。
ただ、一般的には、手術をすると3ヶ月程度で発毛してくることが多いです。
5.アロペシアXを予防・ケアする(体験談あり)
5-1.シャンプー・薬浴
アロペシアXは、原因が明確ではないため、これをすれば完全に治るというものはありません。
でも、薬浴を行うことで、皮膚の状態が改善して発毛する可能性があります。
薬浴というのは、薬用シャンプーを希釈してわんちゃんの身体に付けて、しばらく時間を置くものです。
シャンプーとして直接使用するよりは、薬用成分が深く浸透して、皮膚の状態の改善に有効です。
薬浴のポイントとしては、
- ぬるめのお湯(36度前後)を使う
- 身体をゴシゴシこすらない
- しっかりすすぐ
- よく乾かす
この4点です。
人間ではぬるいと感じる温度のお湯が、わんちゃんにとっては適温になります。
犬の皮膚は、人間の1/3~1/5程度の薄さと言われているので、非常にデリケートです。
熱過ぎるお湯は、皮膚の薄いわんちゃんには刺激となり、皮膚トラブルを起こしやすくなります。
また、身体をゴシゴシ洗うのも同じことで、皮膚を傷つけてしまうため、泡で優しく洗うようにしましょう。
薬浴の後は、余分な成分が身体に残らないようにしっかりとすすいで、ドライヤーで乾かしてあげることも重要です。
5-2.ブラッシング
ブラッシングが直接アロペシアXのケアにつながるわけではありませんが、普段からわんちゃんの皮膚の状態や毛の状態を把握するという意味では、アロペシアXの予防法になり得ます。
また、ブラッシングすることで、皮膚へのマッサージ効果もあるため、血行を促したり、細胞の活性化を促すことも期待できます。
日ごろから、わんちゃんの皮膚や毛の状態を把握しておくと、アロペシアXによる脱毛を早期に発見することができます。
特に、長毛の犬種の場合は、初期の段階では、ぱっと見た目でアロペシアXの脱毛が起きていることは分かりにくく、抜けている毛にも気づきにくいので、早期にアロペシアXによる脱毛に気づくためにも、ブラッシングは大切なものです。
5-3.洋服を着せる
犬に洋服を着せるということには、賛否両論あるかと思います。
梅雨や夏の蒸れるような時期には、洋服を着せることで皮膚の状態が悪化してしまう可能性もあるからです。
でも、アロペシアXは症状が進んでいくと、広範囲に渡る脱毛が起こります。
そのため、皮膚が露出してしまうため、外部からの刺激から身体を守ったり、乾燥から皮膚を守るという観点からは、洋服の着用がおすすめです。
アロペシアXが命に別状がない病気であるとは言え、症状が進むと脱毛部が広くなり、見た目への影響も発生します。
ポメラニアンなどの毛量の多い犬種は、特に脱毛が目立ちやすいので、散歩時に洋服を着せてあげるなどの工夫も必要です。
5-4.食事療法
食事は毎日のことですし、食事から栄養を摂って生活しているわけですから、どんな病気にかかってしまったとしても、食事によるケアは非常に大切なことです。
アロペシアXは原因が不明ですが、脱毛を起こしていることに変わりはないので、皮膚や被毛をケアしていく食事がアロペシアXの改善にも役立ちます。
栄養バランスが崩れてしまうと、アロペシアXをはじめとする色々な病気の引き金になるので、やはり食事というのは、とても大事なんですね。
アロペシアXなどの皮膚病や脱毛症があるときには、油脂類の酸化やたんぱく質が変性したフードは避けなければいけません。
特に、アロペシアXの子には、わんちゃんの毛艶や皮膚をサポートするビタミンやミネラルを配合しているようなフードがいいですね。
例えば、私が開発した皮膚や被毛にトラブルがあるわんちゃんのためのフードがあるんですが、低アレルゲンの鹿肉やカンガルー肉を使って、必要なビタミンやミネラルも配合してあります。
実際にアロペシアXになってしまったわんちゃんの飼い主さんからも、アロペシアXの脱毛が改善したという声もいただいています。
アロペシアXの改善法を探していたところ、同じようにアロペシアXにかかったわんちゃんの飼い主さんのブログで、フードを食べて脱毛が改善したというのを見て試したところ、うちのわんちゃんの脱毛も改善しました。
また、原因が不明なアロペシアXは、再発することも珍しいことではありません。
特に、一度アロペシアXを発症したわんちゃんは、栄養バランスを崩してしまうと、再発しやすくなってしまいます。
そして、改善したと思って普通のフードに変えると、アロペシアXが再発してしまったという声もあるので、やはり皮膚や被毛に症状が現れたわんちゃんは、できる限り皮膚や被毛をケアするフードを続けていくのがいいですね。
そして、アロペシアXは毛周期が停止してしまう病気なので、毛が生えてくるまでには、ある程度の日数が必要です。
しっかりとフードで栄養バランスを整えて、アロペシアXの改善に期待しましょう。
6.最後に
ぜひ、今回の記事が、アロペシアXのわんちゃんをお持ちで、苦しい思いをされている飼い主の皆様のお役に立つことができれば幸いです。
では、またお会いしましょう!
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