犬の脂漏症とはどんな病気?原因や治療法について獣医師先生に聞いてみた!

「最近、うちの犬の体臭が気になる…」
「愛犬が脂漏症と言われたけど治るの?」
「脂漏症の犬の原因が知りたい…」

わんちゃんの体臭が気になったり、いつもと様子が違うと、心配になりますよね。

脂漏症でかゆみなどがあると、わんちゃんもゆっくり休むことができないので、見ている飼い主さんも辛いでしょう。

犬の脂漏症は、早期発見しなければ重症化してしまう病気なので、早めに気づいて対処していくことが大切です。

マキ
マキ
皆さん、こんにちは!愛犬の健康生活編集部のマキです!

今回はそんな犬の脂漏症について、獣医師であり著者の宿南章(しゅくなみあきら)先生をお招きして、詳しく聞いてみることにしました!

よろしくお願いします!
宿南先生
宿南先生

1.犬の脂漏症とは?

マキ
マキ
初めに、犬の脂漏症についてお伺いします
まず、犬の脂漏症について詳しく説明しましょう
宿南先生
宿南先生

1-1.犬の皮膚について

脂漏症というのは、わんちゃんの皮膚に起こる病気(皮膚病)の一つです。

犬の脂漏症について知るためには、まず犬の皮膚の構造と仕組みについて詳しく知っておく必要があります。

犬の皮膚は

  • 表皮
  • 真皮
  • 皮下組織

という3層の構造になっています。

画像出典:http://sekken-life.com/life/HM_Soap19.htm

その中の表皮をもっと細かく分けると、

  • 角質層
  • 顆粒層
  • 有棘層
  • 基底層

という4つの層になっています。

表皮の最も外側(表面)にあるのが角質層なんですが、角質層には皮膚を守る重要な役割があります。

皮膚は常に外部と接触しているところなので、病原菌やアレルゲンなどの刺激や、紫外線・乾燥などのダメージから身体を守らなければいけません。

また、皮膚の内部が乾燥してしまわないように、皮膚内部の水分が外部に蒸発するのも防ぐ必要があります。

その重要な役割を担っているのが、皮膚の角質層なんですね。

つまり、角質層がバリア機能を果たしていることで、健康な皮膚を保つことができています。

皮膚の構造や役割については、人間も犬も全く同じです。

ただし、犬の皮膚は人間の皮膚の5分の1ほどの厚さしかありません。

そのため、犬の皮膚は刺激を受けやすく乾燥にも弱いので、とてもデリケートなんです。

言い換えれば、犬は脂漏症をはじめ、色々な皮膚病にかかりやすいと言えます。

1-2.犬の脂漏症とは

脂漏症は、犬に発症する皮膚病の一つです。

犬の脂漏症は、皮膚の新陳代謝が異常に速くなることで起こります。

新陳代謝というのは、古いものが新しいものに入れ替わることを意味していて、古い細胞が新しい細胞に作り替えられることを新陳代謝と言うんですね。

先ほど話したとおり、皮膚は何層にもなって構成されていて、表皮の基底層で新しい細胞が常に作られています。

新しい細胞ができると、古い細胞はだんだんと皮膚上部に押し上げられます。

古い細胞が皮膚上部まで押し上げられると、自然に剥がれ落ちて、新しい細胞に入れ替っていきます。

これを皮膚のターンオーバー(皮膚の新陳代謝のこと)と言うのですが、犬の場合では、通常20日前後でこの一連の流れが行われています。

しかし、脂漏症の犬では、このターンオーバーが異常に速くなり、5日~10日ほどで行われしまうんです。

新陳代謝が異常に速くなると、新しいものがどんどん出てくるイメージなので、皮脂もどんどん分泌してしまい、皮脂が過剰になります。

また、新しい細胞がどんどんできるのですが、未熟なまま成長するので、水分を保つ機能が十分に果たせない状態で表面に出てきてしまい、皮膚が乾燥することもあります。

そのため、脂漏症のわんちゃんは

  • 皮脂過剰による皮膚のべたつき
  • 皮膚の乾燥

2つのどちらかが皮膚症状として、起こることになります。

まとめると、犬の脂漏症は、新陳代謝が異常に速くなることで、皮脂の過剰分泌や皮脂の乾燥が起こり、様々な症状が出てしまう病気なんですね。

ただ、近年は皮脂過剰のものだけを脂漏症と呼び、皮膚の乾燥タイプは角化異常と呼ぶことが多くなってきています。

もちろん、皮膚のバリア機能も低下することになるので、外部からの刺激などに抵抗できなくなってしまいます。

そうなると、細菌などが繁殖しやすく、脂漏症のほかに感染症の皮膚病も引き起こしやすくなってしまいます。

2.犬の脂漏症の種類

マキ
マキ
犬の脂漏症には、どんなものがあるんですか?
大きく分けると、2つに分類することができます
宿南先生
宿南先生

2-1.原発性脂漏症

原発性脂漏症というのは、遺伝的に起こる先天性の脂漏症です。

生まれつき脂漏症になりやすい犬種というのが、ある程度決まっています。

  • アメリカン・コッカー・スパニエル
  • イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル
  • ウエスト・ハイランド・ホワイトテリア
  • バセット・ハウンド
  • シーズー

などが、好発犬種です。

原発性脂漏症は、だいたい1歳未満で発症することが多いです。

そして、多くは2歳までに発症すると言われています。

ただ、実際のところ、原発性脂漏症を発症するわんちゃんは、あまり多くは見かけません。

2-2.続発性脂漏症

先天性である原発性脂漏症は、遺伝によるものですが、それとは別の原因で後天的に発症するのが、続発性脂漏症です。

先ほど説明したとおり、健康な犬の皮膚は約20日程度でターンオーバーが繰り返されています。

ところが、遺伝以外の疾患などにより、ターンオーバーに異常を来してしまうと、続発性脂漏症を発症してしまいます。

脂漏症を発症する犬は、後天的な要因による続発性脂漏症であることが多いですね。

小型・中型・大型犬の身体の大きさや犬種に関わらず、続発性脂漏症は発症しますが、

特に

  • パグ
  • ブルドッグ
  • コッカー・スパニエル
  • シーズー
  • スプリングスパニエル
  • ビーグル
  • ウエスティ・バセットハウンド
  • ジャーマン・シェパード
  • シャー・ペイ
  • アイリッシュ・セター
  • ダックスフンド

などが、一般的には続発性脂漏症にかかりやすいと言われています。

2-3.皮膚の状態による脂漏症の分類

原発性脂漏症と続発性脂漏症は、脂漏症が起こる原因が先天性のものなのか、後天性のものなのかを分類した種類分けです。

原因は違いますが、基本的に、原発性脂漏症も続発性脂漏症も、脂漏症としての症状は同じなんです。

犬が脂漏症になると、皮脂過剰になる場合と、皮膚が乾燥する場合があると先ほど説明しましたね。

つまり、皮膚の状態からも脂漏症を分類することができるというわけです。

  • 乾性脂漏症
  • 湿性脂漏症

この2つが、皮膚の状態から見た脂漏症の分類です。

原発性脂漏症も続発性脂漏症も、皮膚の状態によって、乾性脂漏症なのか湿性脂漏症なのかを分けていて、それぞれ症状が違います。

乾性脂漏症では、皮膚が乾燥するので、フケが増えます。

フケは、古くなった角質細胞が剥がれ落ちたもので、人間の身体でいうと垢と同じようなものです。

通常は小さくて見えない程度のものですが、皮膚が乾燥してトラブルが起こると、大きく目立つようになってきます。

まとめると、乾性脂漏症の症状としては

  • 皮膚の乾燥
  • フケ
  • かゆみ
  • 皮膚の炎症(皮膚の赤み)

などが挙げられます。

乾性脂漏症になりやすいとされている犬種は、

  • アイリッシュ・セター
  • ダックスフンド
  • ミニチュア・シュナウザー
  • ドーベルマン・ピンシャー
  • ジャーマン・シェパード

などです。

逆に湿性脂漏症では、皮脂が過剰分泌するので、

  • 皮膚のべたつき
  • 体臭がきつくなる
  • フケ
  • かゆみ
  • 皮膚の炎症(皮膚の赤み)

などが出てきます。

湿性脂漏症になりやすい犬種としては、

  • アメリカン・コッカー・スパニエル
  • シーズー
  • ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
  • バセット・ハウンド
  • イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル
  • ラブラドール・レトリーバー

などが挙げられます。

乾性脂漏症と湿性脂漏症で、共通している症状がありますが、脂漏症を発症することで皮膚に炎症を起こすという意味では、皮膚の赤みだったり、かゆみというのはどちらであっても出現するんですね。

フケについてですが、乾性では乾燥しているフケが増え、湿性では皮膚に張り付くような、べたべたしたフケが増えます。

3.犬の脂漏症の原因

マキ
マキ
続いて、犬の脂漏症はどんなことが原因で発症するのか教えていただけますか?
犬の脂漏症の原因を詳しく説明します
宿南先生
宿南先生

3-1.原発性脂漏症の原因

原発性脂漏症は、遺伝的に発症してしまうものです。

原因は染色体に異常が起こることで、潜性遺伝(劣性遺伝)が原因とされています。

結論を簡単に言うと、病気を発症させてしまう可能性のある遺伝子を持って生まれてきてしまうということです。

それが皮膚に現れた場合、原発性脂漏症を発症するということですね。

人間でも同じですが、犬の身体も細胞でできています。

その細胞の中には、両親から受け継いだ遺伝子の情報を持った染色体が入っています。

染色体は2本で1組になっていて、遺伝情報の発現や伝達の役割があり、子に受け継がれます。

染色体は父親と母親からそれぞれ1本ずつ受け継いで、2本1組で1つの染色体になります。

そのため、父親・母親のどちらの特徴をも持った子供が生まれます。

遺伝の仕方には顕性遺伝(優性遺伝)と潜性遺伝(劣性遺伝)とがあり、特徴として現われやすいのを顕性遺伝、特徴として現われにくいのを潜性遺伝と言います。

染色体が変異したものは、特徴として現れにくいので、潜性遺伝(劣性遺伝)となります。

例えば、親のどちらも変異のない健康な染色体を持っていて、それを子供が受け継ぐと、遺伝性の疾患が現われることはありません。

これは、顕性遺伝(優性遺伝)です。

でも、両方の親から変異した染色体を受け継いでしまうと、遺伝性の疾患を発症してしまうんですね。

それが、潜性遺伝(劣性遺伝)と言われるものです。

原発性脂漏症の犬は、この潜性遺伝(劣性遺伝)が原因で、脂漏症を発症してしまいます。

3-2.続発性脂漏症の原因

続発性脂漏症の場合は、何か身体に問題があって後天的に発症します。

  • アレルギー
  • 寄生虫・真菌・細菌などによる感染
  • ホルモン系疾患
  • 食事の偏り

この4つが、続発性脂漏症の主な原因となります。

元々、アレルギー性皮膚炎を持っているわんちゃんは、脂漏症にもなりやすいです。

皮膚炎を起こすと皮膚のバリア機能が低下しますし、外部からの刺激に対しても弱くなるので、脂漏症も発症するリスクが上がります。

実際、アレルギー性皮膚炎と脂漏症を併発しているわんちゃんは、たくさんいます。

ヒゼンダニやノミなどの寄生虫が、皮膚に住み着くことで皮膚炎を起こし、結果的に脂漏症となってしまうケースもあります。

また、犬の皮膚病でよく見受けられるマラセチア皮膚炎は、皮膚に常在している真菌が原因で起こりますが、皮脂を餌として増殖するため、皮脂が過剰分泌する脂漏症とも関係が深く、原因の一つに考えられます。

あとは、内科的な疾患があり、脂漏症を引き起こすこともありますね。

ホルモン系の疾患を持っていて、ホルモンの分泌量が多すぎたり、逆に少なすぎたりすると、新陳代謝にも影響を及ぼします。

新陳代謝が遅くなると、皮膚が乾燥しますし、新陳代謝が速くなると、皮脂の過剰分泌が起こるため、脂漏症を発症させてしまいます。

脂漏症は一つの皮膚病ではありますが、原因を考えると、他の皮膚病とも関係があるのが分かるかと思います。

ですから、犬の皮膚病は多くの要因が絡んでいることが多くて、非常に厄介なんですね。

マキ
マキ
食事によってわんちゃんが脂漏症になることもあるんですか?
脂漏症など皮膚病は、食事とも多いに関係ありますよ。
宿南先生
宿南先生

食事によって栄養が偏ると、犬の脂漏症を発症させてしまうことがあります。

食事は身体を作る源なので、栄養が多すぎても少なすぎても、身体の不調につながってしまうんですね。

わんちゃんの場合は、自分で食事を選ぶことができないので、飼い主さんから与えられた食事が、適切かどうかが非常に重要です。

例えば、脂質(脂肪分)が多すぎると、皮脂の過剰分泌につながりますし、脂質が少なすぎると皮脂の量が減少して乾燥につながります。

また、ビタミンAは皮膚の粘膜を健康に保つビタミンなので、不足すると皮膚にトラブルが起きやすくなります。

このように、食事での栄養の偏りがあると、犬が脂漏症をはじめとする皮膚病にかかりやすい状況を作ってしまいます。

4.犬の脂漏症の検査

マキ
マキ
次に、わんちゃんの脂漏症が疑われるときの検査法についてお聞きします
犬の脂漏症の検査法を説明します
宿南先生
宿南先生

犬が脂漏症かどうか診断するためには、

  • 問診
  • 皮膚の状態の観察・検査
  • 血液検査

などを行います。

皮膚病は種類も多く、併発して発症しているケースも稀ではありません。

そのため、問診や皮膚の状態から、診断していくことになります。

ただ、皮膚炎は皮膚の状態だけを見ても、何が原因で起こっているのかは見極めが難しいです。

そこで、アレルギーがないか血液検査でチェックしたり、他の内科的疾患がないかを血液検査でチェックしたりします。

脂漏症と診断しても、原因によって治療法も変わってくるので、脂漏症の根源となるものを検査するのは必須ですね。

また、皮膚に真菌が増殖していないかを見るために、スライドガラスなどに皮膚を押し付けて顕微鏡で見る検査を行うこともあります。

あと、脂漏症が発症しやすい部位というのがあります。

  • 足の指の間
  • 脇の下
  • 会陰
  • 顔面
  • 頚背部
  • お腹
  • 皮膚のヒダ(シワ)

などです。

画像出典:https://filou.jp/hotel/yomo/doctor/yomo41/

先述のような検査をしながら、総合的に犬が脂漏症になっているかどうかを判断します。

マキ
マキ
わんちゃんが脂漏症なのかどうかは、動物病院で診てもらわないと分からないと思いますが、飼い主さんが気付く方法はありますか?
症状から気づける場合もありますよ
宿南先生
宿南先生

皮膚病は多岐に渡っていて、一見するだけでは、どの皮膚病なのか分からないと思います。

ただ、

  • 皮膚の赤み
  • かゆみ
  • 体臭
  • 毛にツヤがない

などの症状があれば、わんちゃんが脂漏症にかかっている可能性があります。

このような症状は、飼い主さんが日ごろからわんちゃんを見ていれば気づくので、一度動物病院できちんと精密検査することをおすすめします。

脂漏症は他の皮膚炎と併発することもありますし、重症化すると厄介なので、早めに受診して適切な治療を行いましょう。

5.犬の脂漏症の治療法とケア方法

マキ
マキ
では、わんちゃんが脂漏症になったら、どうやって治療やケアをしていくんですか?
原因を特定した上で、身体を清潔にすることと食事管理が大切です
宿南先生
宿南先生

犬の脂漏症の原因は、他の疾患が絡んでいる可能性もあるので、治療を始めるまえに、大前提として原因を特定しておく必要があります。

そのために、血液検査などで内科的な疾患がないかどうかをチェックします。

その上で、基本的な治療法は、

  • 投薬
  • シャンプー
  • 食事管理
  • 温度と湿度管理

となります。

5-1.投薬

内服薬は全身に作用するので、脂漏症の治療で使うことが多いですね。

  • ステロイド剤
  • 免疫抑制剤
  • ホルモン調整薬
  • 抗生剤・抗真菌薬

などが、一般的に使用されます。

皮膚炎がひどい場合は、炎症を抑えるためにステロイド剤を使ったり、アレルギーがある場合には、免疫を調整するような薬を使います。

ホルモン系の疾患があれば、ホルモン調整薬を使います。

ホルモン系疾患を持っているわんちゃんの場合は、ホルモン異常を正すことで、皮膚への影響も軽減できるからです。

また、マラセチア皮膚炎などの感染症がある場合は、抗真菌薬を使って、根本的な原因から対処していきます。

こういう具合に、原因に応じた投薬治療をまず行います。

原発性脂漏症も続発性脂漏症も、皮膚に炎症を起こしている点では同じなので、炎症を抑えるときには投薬治療になりますね。

5-2.シャンプー

投薬治療とともに、脂漏症を改善するために行うのが、シャンプーです。

脂漏症の症状に合わせた薬用シャンプーを使って、身体を清潔に保つことを目的としています。

だいたい週に1~2回程度ですが、脂漏症の症状に合わせて頻度が変わるので、それは獣医さんと相談しながら行うことになります。

シャンプーのポイントとしては、

  • しっかり汚れを落とす
  • 低温(30度ぐらい)のお湯で洗う
  • シャンプーは薄めず、爪を立てずに洗う
  • しっかりすすぐ

です。

脂漏症の犬の皮膚は、皮脂やフケで汚れているので、身体を清潔にするためにも、しっかりと汚れを落とすことが重要です。

そのためにはシャンプー剤を使うまえに、お湯で汚れを落とさないと、薬用シャンプーの効果も半減してしまいます。

また、あまり熱いお湯で洗うと、かゆみがひどくなるので、低温のお湯で洗ってあげましょう。

汚れを残さないように、しっかりとすすぎを行い、タオルドライで水分をふき取ってから、ドライヤーで乾かします。

価格的なことを言うと、犬の脂漏症用のシャンプーは種類にもよりますが、1本3000円ぐらいでしょうか。

5-3.食事管理

さらに、わんちゃんが一度脂漏症になってしまったら、食事を見直すことも大切です。

犬の脂漏症の根本的な原因には、食事のバランスの悪さもあるからです。

犬の脂漏症の原因は様々ですが、食事によって後々に脂漏症を悪化させたり、なかなか改善しないこともあるので、食事管理はきちんと行わなければいけません。

毎日食べる食事(フード)の栄養バランスが悪いと、脂漏症などの皮膚病を発症させたり、悪化させる原因になります。

例えば、年齢に合っていないフードや低品質のフードでは、適切な栄養素が摂取できていない可能性があります。

特に、犬の脂漏症では、脂質の摂取過多も問題になってくるので、栄養バランスが良く、脂肪分を抑えたアレルギーを発症させにくいフードがいいですね。

皮膚を健康に保つのに必要なビタミン類や、皮膚のターンオーバーに関わる亜鉛などのミネラル分が含まれていることも重要です。

おすすめなのは、犬の皮膚をケアするのに特化しているフードです。

犬の皮膚のことをよく知っている獣医師が監修して、開発・製造に関わっているフードなら、さらに安心です。

例えば、私が開発した「GF皮膚のケア」というフードがあるんですが、低アレルゲン・低脂質のカンガルー肉を使用して、グレインフリーで作っています。

また、皮膚をサポートするために、良質の油脂と必要な栄養素も取り入れています。

脂漏症をはじめとする犬の皮膚病は、治ったように見えても再発する可能性のある病気です。

皮膚を清潔に保っていても、間違った食事を続けていると、また脂漏症を発症するかもしれません。

脂漏症は重症化してしまうと、改善させるのにも時間がかかりますし、かゆみなどの症状が続けば、わんちゃんにとっても苦痛でストレスが溜まります。

もちろん、わんちゃんだけでなく、飼い主さんにも負担が大きくなりますので、再発させないように、しっかりと食事管理を徹底させましょう。

5-4.蒸れにくい環境を作る

犬の脂漏症は、原発性・続発性、どちらの脂漏症にしても、発症・再発しないように予防することが大切です。

そのためにも、治療とは違いますが、普段からケアしていく必要もあります。

皮脂が多すぎたり、皮膚が乾燥し過ぎることで脂漏症を招いてしまうので、皮膚を清潔に保つことが脂漏症の第一の予防法になります。

そして、脂漏症は高温多湿の環境で悪化するので、日本の場合は梅雨の時期が脂漏症を発症させやすいと言えますね。

脂漏症をはじめとする皮膚病を予防するためには、梅雨や真夏の暑い時期は、エアコンで温度調節しながら、除湿器で湿度の調整を行うことも重要なポイントです。

犬種によっては、毛が多かったり、毛が長い子がいますが、そのような毛を持つわんちゃんは蒸れやすいので、短くカットしてあげることも、脂漏症の予防につながります。

とにかく、皮膚を清潔にして、蒸れにくい環境作りに努めましょう。

5-5.保湿(乾燥を防ぐ)

脂漏症の種類によっては、皮膚が乾燥するものもあるので、保湿を行うことも忘れてはいけません。

夏とは逆に、冬場は暖房の影響で乾燥しやすいので、皮膚も乾燥しやすくなるため、脂漏症を悪化させる可能性があります。

その場合は、加湿器を使ってあげたりして、常に皮膚の保湿を心がけましょう。

また、乾性の脂漏症はシャンプーの後、特に皮膚が乾燥してしまわないように気をつけなければいけません。

わんちゃん用のローションやクリームがあるので、保湿剤を使って日常的に皮膚を保湿をします。

症状によってケア法も多少変わってくると思うので、獣医師と相談しながらケアしていきましょう。

7.最後に

マキ
マキ
本日は貴重なお話ありがとうございました!

ぜひ、今回の記事が、脂漏症のわんちゃんをお持ちで、苦しい思いをされている飼い主の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

宿南先生は、獣医師の観点から、様々な犬の病気に有効な療法食や、日常的に食べることができるドッグフードを開発しているので、興味がある方はぜひ「Dr.宿南のキセキのごはん」のサイトをご覧くださいね。

では、またお会いしましょう!

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ABOUT US
獣医師・ 宿南章
獣医師。1969年生まれ。兵庫県養父(やぶ)市出身。 獣医師。日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 横浜で犬猫の動 物病院に勤務。 西洋医学の限界を感じ、その後、米国の最先端の代替療法を日本に導入している研究所に移籍。 オリンピック銀メダリストなど、プロスポーツ選手の食事アドバイスをしたり、北海道の農 協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、 当時抗生物質も効かない病気を 治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。 その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し、犬・猫を中心に、国内外から治療 が困難とされた動物の治療にあたる。 その後、ドッグフードとキャットフードの開発を本格的に始め、2015年に著書『薬いらずで、 愛犬の病気は治る』を出版し、Amazon、楽天ブックス、紀伊國屋WEBストアなど、17部門で 1位を獲得。