犬の膵炎とはどんな病気?原因や治療法について獣医師先生に聞いてみた!

「うちの犬が最近急に嘔吐した…」
「愛犬が膵炎かもしれない…」
「犬が膵炎になったら治療法はあるの?」

わんちゃんが突然嘔吐したり、具合が悪そうにしていると、飼い主さんは心配で仕方ないですよね。

膵炎は、何となく炎症を起こしている状態だと思っている人も少なくないと思いますが、放置すると命を脅かす怖い病気でもあります。

だからこそ、愛犬が膵炎と診断されたら、早めに対策を講じていかなければなりません。

マキ
マキ
皆さん、こんにちは!愛犬の健康生活編集部のマキです!

今回はそんな犬の膵炎について、獣医師であり著者の宿南章(しゅくなみあきら)先生をお招きして、詳しく聞いてみることにしました!

よろしくお願いします!
宿南先生
宿南先生

1.犬の膵炎とは?

マキ
マキ
まず、犬の膵炎についてお話いただけますか?
はじめに、膵臓の働きと犬の膵炎について説明します
宿南先生
宿南先生

1-1.膵臓の機能

膵臓というのは、胃や腸の近くにある臓器で、消化に関わっています。

膵臓の主な機能は、

  • 消化液(消化酵素)の分泌
  • 血糖値濃度の調整

この2つです。

膵臓では、膵液という消化液を分泌していて、摂取した食べ物に含まれるたんぱく質や炭水化物、脂質などの消化に深く関わっています。

食べ物は胃で消化された後、十二指腸に運ばれますが、その際に十二指腸から分泌されるホルモンの刺激によって十二指腸へと膵液が送り出されるんですね。

画像出典:https://wanpedia.com/dog-pancreas/

つまり、膵液が十二指腸に送り出されることによって、消化を助けているというわけです。

そして、もう一つの膵臓の重要な機能が血糖値濃度の調整。

膵臓では、血液中の糖分を調整するホルモンを分泌しています。

皆さんも一度は耳にしたことがあるかもしれませんが、膵臓から分泌される血糖値を調整するホルモンと言えば、インスリンが有名です。

膵臓では、インスリンの他にもう一つグルカゴンという2種類のホルモンが分泌されています。

膵臓の中には、細胞が多く集まった「ランゲルハンス島」と呼ばれるものがあり、そこでインスリンとグルカゴンが作られています。

この2つのホルモンの作用によって、血糖値が上がり過ぎたり、下がり過ぎたりすることがないようにうまく調整されているんですね。

1-2.犬の膵炎について

膵炎というのは、その名のとおり、膵臓に炎症を起こした状態のことです。

自分自身の分泌する消化酵素によって、膵臓自体が消化されてしまうことで炎症を起こしたり、膵臓の炎症がひどくなっていった結果、膵臓の細胞が壊れて、膵臓が委縮して本来の働きが低下した病状を膵炎としています。

食べ物を消化するのを助けるために消化酵素が使われるため、通常では膵臓が自分自身の消化酵素によって消化されてしまうことはありません。

でも、膵臓やほかの臓器に病気があったり、脂肪が多い食事(ドッグフード)などによって、消化酵素が必要以上に活性化されてしまうと大量に分泌されてしまい、膵臓を傷つけてしまうんですね。

犬の膵炎は、それほど珍しい病気ではありません。

わんちゃんが膵炎であると診断されることは比較的多いですが、命を落とすことさえある病気のため、決して安易に捉えることはできない病気でもあります。

2.犬の膵炎の種類

マキ
マキ
次に、犬の膵炎の種類について教えていただけますか?
犬の膵炎は大きく2つに分けることができます
宿南先生
宿南先生

犬の膵炎は

  • 急性膵炎
  • 慢性膵炎

の2つに分けています。

先ほど説明しましたが、膵臓には消化酵素を分泌する働きがありましたね。

急性膵炎はその消化酵素が、膵臓又は他の臓器の病気や食事などの原因によって、必要以上に活性化してしまうことで、本来消化されることない膵臓自身を消化してしまい、膵臓に炎症をもたらしてしまうことで起こります。

急性膵炎は非常に強い痛みを伴うことがあるので、わんちゃんにとって辛い病気です。

また、重症の急性膵炎の場合は、早めに対処しなければ命を落としてしまう可能性もあるので、早期に動物病院で適切な治療をしてもらうことが肝心です。

急性膵炎のほかに、膵炎が慢性化していく慢性膵炎があります。

膵炎を繰り返していくうちに、膵臓が委縮して線維化も起こします。

線維化というのは、細胞外基質という細胞組織が異常繁殖して繊維成分に置き換わることを指すのですが、その結果、膵臓の細胞の壁が硬くなっていき、膵臓の機能が低下してしまうのが慢性膵炎です。

多くの慢性膵炎は、急性膵炎が慢性化していくことで起こっています。

なぜ膵炎が慢性化するのかというところですが、急性膵炎で腹痛などがあっても気づかないで過ごしてしまったりして、静かに膵炎が進行していくためです。

だからこそ、一度膵炎になってしまったわんちゃんは、病状が良くなったと思っても経過を追っていくことが重要です。

膵臓の機能が低下すると、消化酵素も十分に十二指腸へ分泌することができません。

そのため、慢性膵炎が悪化するとうまく消化ができなくなり、下痢や嘔吐といった様々な消化器症状が現れます。

最悪の場合には、膵外分泌不全にまで至ることがあります。

マキ
マキ
膵外分泌不全とは、どんな症状ですか?
消化酵素の分泌がほとんど行われなくなることで起こる症状です
宿南先生
宿南先生

慢性膵炎になると、消化酵素が十分に分泌できなくなるんですが、症状が悪化してしまうと、消化酵素がほとんど分泌されなくなります。

それが、膵外分泌不全です。

膵外分泌不全になると、消化がうまくできなくなるのはもちろんですが、栄養の吸収も十分にできなくなってしまうので、食べることができたとしても、だんだん痩せていきます。

膵外分泌不全を発症してしまったら、投薬で膵臓の消化酵素を与え続けることになります。

3.犬の膵炎の原因

マキ
マキ
わんちゃんが膵炎になってしまうのには、どんな原因があるんですか?
犬の膵炎では多くの場合、食事が原因となっています
宿南先生
宿南先生

膵炎には急性膵炎と慢性膵炎があると説明しましたが、原因には大きな違いがありません。

その理由としては、急性膵炎が慢性膵炎に移行したケースが多いからです。

実は犬の膵炎の根本的な原因は、明確にはなっておらず、原因不明だというのが実際のところなんですね。

ただ、膵炎を起こすきっかけとなる、消化酵素が大量に分泌されてしまう理由などから、膵炎が起こる原因を説明していきます。

3-1.高脂肪食

犬の膵炎の原因は、その多くが間違った食事にあると言えます。

膵臓では消化液の分泌を行っていて、たんぱく質や脂質の消化を助けているので、たんぱく質や脂肪がたくさん含まれ過ぎたフードや消化の悪いフードなどを摂取すると、膵臓に負担がかかってしまいます。

脂肪やたんぱく質の摂取量が多いと、犬の身体の中では必死に消化させようと、多くの消化酵素が分泌されてしまうからです。

その結果、膵臓に炎症をもたらして膵炎になってしまいます。

3-2.肥満

肥満が原因で、犬が膵炎になることもあります。

体内に脂肪が多く蓄積していると、脂質の代謝に異常を来して脂質異常(血液中の脂質の数値が基準より高い状態)を招くことがあります。

つまり、このような状態になっているわんちゃんは、日ごろから脂肪を多く含む食事をしているということですね。

例えば、人間の食べ物を与えているなら必要以上に食べ過ぎとなり、カロリー過多となりやすいため注意が必要ですね。

また、肉の脂身にも当然ですが脂質が多く含まれていますし、加工された犬用ジャーキーなどでも与え過ぎるとカロリーを摂取し過ぎて肥満になります。

先ほどの膵炎の原因である高脂肪食と重なる部分もありますが、肥満になっているわんちゃんは膵炎を発症するリスクが高いです。

3-3.老化

犬の膵炎は、若ければかからないということはなく、どんな年代のわんちゃんでもかかりますが、シニア期になると膵炎になるわんちゃんが増える傾向にあります。

その理由としては、老化によって内臓機能が低下することと、シニア期になると基礎疾患を持っているわんちゃんが多いからです。

先に説明したような病気を持っている犬では、膵炎になりやすいですし、他の臓器が悪くても膵臓に負担になる可能性はあるので、シニア期のわんちゃんは日ごろから、注意深く見てあげたほうがいいでしょう。

3-4.遺伝的要素

食事などが原因で膵炎になってしまう犬はたくさんいますが、それとは別に先天的に高脂血症になりやすく、膵炎を発症するリスクの高い犬種がいます。

  • ミニチュア・シュナウザー
  • ヨークシャー・テリアなどのテリア系

などです。

その他にも、遺伝的に膵炎にかかりやすいと言われてる犬種としては、

  • コッカー・スパニエル
  • ウェスティ
  • キャバリア
  • ラフ・コリー
  • ボクサー

などが挙げられます。

もちろん、どの犬種でも膵炎になる可能性はありますが、一般的に膵炎にかかりやすいと言われている犬を飼ってらっしゃる飼い主さんは、特に食事などに注意しておいたほうがいいですね。

3-5.その他の原因

5つの主な膵炎の原因を紹介しましたが、その他にも犬が膵炎になり得る原因はあります。

  • 腫瘍
  • ウィルス・寄生虫
  • 腎臓病などとの併発
  • 事故
  • 手術

などが犬の膵炎の考えられる原因として挙げられます。

例えば、わんちゃんが大きな事故に遭ってしまったとき、膵臓を損傷した場合には急性膵炎を発症することがあります。

膵臓に傷を負ってしまうと、消化酵素が本来流れるのとは反対に逆流して膵臓内に流れてしまうことで、膵臓を消化してしまい膵炎を引き起こします。

膵臓や他の臓器に腫瘍があって、膵臓から消化酵素が流れる管が閉鎖した場合には、同じように消化酵素が膵臓内に逆流してしまうため、膵炎を発症します。

そして、中にはウィルスや寄生虫による感染症が元で、膵臓に炎症をもたらしてしまうことがあります。

感染症が原因の膵炎の場合は、まず根本的な原因を取り除かなければいけません。

また、膵炎を発症する犬の中には、他の臓器、特に腎臓病を患っている子が比較的多く見受けられます。

それぞれの臓器は個々に異なる機能がありますが、全ての臓器がそれぞれの仕事を全うしてこそ、健康な身体が維持できます。

そのため、どこかの臓器に不調があれば、その他の臓器にも悪影響を及ぼしてしまうんです。

血液は全身を巡っているので、どこかの臓器に炎症があれば周囲の臓器だけでなく、全身に影響する可能性があります。

膵臓と腎臓は近い位置にありますし、シニア犬の場合は多臓器を患ってしまうことも稀ではないため、膵炎と腎臓病を併発してしまうケースもあります。

4.犬の膵炎の症状

マキ
マキ
犬の膵炎ではどんな症状が出ますか?
消化器症状が主なものですね
宿南先生
宿南先生

膵臓は消化に関わっている臓器なので、犬が膵炎になると出る症状は、主に消化器系のものです。

  • 食欲不振
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 震え
  • 激しい腹痛
  • 発熱
  • 多臓器不全によるショック

などが膵炎になると現れます。

食欲不振は、初期の膵炎にでも現れるので、犬が膵炎になってるかもしれないという一つの目安になるかもしれませんね。

それに加えて、激しく嘔吐したり下痢のような症状がある場合は、早めに動物病院で診てもらいましょう。

急性の膵炎では激しい腹痛を伴うこともあり、触るのを嫌がったり、痛みや発熱で呼吸が荒くなったりします。

また、お腹を床につけるのが痛いために、稀に「祈りのポーズ」と言われる伏せの姿勢でお尻だけを上げたポーズをとることもありますね。

急激に膵炎が悪化すると、他の臓器にも異常を来してしまい、他の臓器の機能が低下(多臓器不全)してショック死することもあるため、注意しなければいけません。

慢性膵炎の場合は、嘔吐や下痢といった症状が断続的に起こります。

急性膵炎とよく似た軽い症状が現れますが、慢性膵炎は症状だけでは他の消化器疾患と見分けがつかないため、動物病院での精密な検査が必要です。

マキ
マキ
わんちゃんが膵炎かもしれないと、家庭でチェックする方法はありますか?
この症状があれば膵炎というのはないですが、やはり消化器症状があれば膵炎を疑ってもいいかもしれないです
宿南先生
宿南先生

犬の膵炎の典型的な症状というのは、残念ながらありません。

説明してきたとおり、消化器系の臓器である膵臓は、炎症を起こすと消化に関わる症状が出るので、お腹の具合が悪そうだというときは、膵炎である可能性があります。

ご飯を食べられないというときや、お腹を撫でると怒るという、いつもと違う行動をわんちゃんがしたときは注意してあげましょう。

それに加えて、下痢や嘔吐などの症状が見られれば、早めに動物病院の受診をおすすめします。

5.犬の膵炎の検査

マキ
マキ
犬の膵炎が疑われた場合、動物病院ではどんな検査をしますか?
幾つかの検査を行って確定診断することになります
宿南先生
宿南先生

5-1.血液検査

膵炎が疑われる場合は、まず血液検査ですね。

血液の状態を調べれば、わんちゃんの身体の中の状態がわかります。

血液検査の

  • WBC
  • CRP

この2つで、白血球の上昇、炎症の有無を調べます。

白血球が上昇していれば、感染症が疑われますし、CRPの値が上昇していれば、身体のどこかで炎症が起きていることがわかります。

そして、犬の膵炎で上昇する項目としては、

  • AMYL(アミラーゼ)
  • LIP(リパーゼ)

この2つの血液検査の項目が挙げられます。

アミラーゼは糖質を分解する消化酵素で、膵臓でも分泌しているものです。

この値が上昇していると膵臓に障害があることが分かりますが、膵炎以外でもアミラーゼの値が上昇することがあるため、もう一つのリパーゼの値も一緒に見ることになります。

リパーゼは脂肪を分解する消化酵素で、同じく膵臓で分泌しているものです。

膵臓の細胞が破壊されると、血液中に多く流れ出すため、膵炎になるとリパーゼの値が上昇します。

アミラーゼとリパーゼは膵炎で上昇しますが、特にリパーゼは犬の膵炎では50%以上で上昇すると言われているので、かなり有用な指標になりますね。

また、犬の膵炎の原因にも関わる高脂血症(脂質異常症)の値を調べます。

  • T-cho(総コレステロール)
  • TG(中性脂肪)

総コレステロールの値が高ければ、脂質の代謝に異常があり、高脂血症になっている可能性が高いです。

中性脂肪は食事の影響を受けやすいので一概には言えませんが、中性脂肪の値が高ければ、膵炎の原因として肥満を疑います。

さらに、重症の膵炎の場合には、他の臓器にも悪影響を及ぼしている可能性もあるため、肝機能(AST(GOT)・ALT(GPT)・ALP・T-Bil・γ-GTP)や腎臓(BUN・Cre)の値を見たりします。

その他にも、脱水を起こしていないかを調べたりして、血液検査である程度膵炎かどうかの判断をしていきます。

5-2.c-PLI(血液特殊検査)

犬の膵炎では、血液検査である程度の診断をつけますが、膵炎だと診断するために、有効とされている検査がc-PLI(血液特殊検査)です。

画像出典:https://www.idexx.co.jp/ja/veterinary/snap-tests/snap-cpl-test/

c-PLIはイヌ膵特異的リパーゼを測定する犬の膵炎が疑われるときにのみ行う、特殊な血液検査のことです。

イヌ膵特異的リパーゼは、検査キットを使って測定します。

現在、犬の膵炎では一般的に行われている検査で、精度も高く、一般の血液検査と併用して行うことが多いです。

5-3.レントゲン・超音波・CT

犬の膵炎の検査に、レントゲンなどの画像検査を行うこともあります。

レントゲンを撮って、直接膵炎だと確定診断することはありませんが、血液検査では膵炎以外の他の要因でも数値が上昇することもあるため、他の病気と区別するためにはレントゲンの検査が必要です。

超音波検査では、膵臓の肥大や膵臓の周りの組織に異常がないかを調べることができます。

犬が急性膵炎を患うと、超音波検査で異常が見られることが多いんです。

また、超音波検査ではっきり膵炎と判断できない場合や他の臓器疾患などと区別するために、詳しくCT検査することもあります。

6.犬の膵炎の治療法と予防

マキ
マキ
犬の膵炎ではどのような治療を行うのですか?
犬の膵炎で行われる一般的な治療法を説明します
宿南先生
宿南先生

6-1.犬の膵炎の治療法

犬の膵炎の治療は、重症度合いによっても変わります。

残念ながら、膵炎に対する特効薬はないため、対処療法で膵臓の改善を促していくことになります。

一般的には、

  • 点滴(輸液療法)
  • 症状に合わせた投薬

を行います。

急性膵炎では、症状が急激に悪化することもあるため、入院をして治療に当たる場合が多いです。

膵臓を休め、消化酵素の活性を抑えるために、食事の可否を含めて慎重に検討します。

そして点滴治療を行い、嘔吐が続いているなら制吐剤、痛みが強い場合には鎮痛剤を使用したりといった具合に、症状に応じた注射や投薬を行います。

食事が摂れないときは、栄養不足に陥らないように、経腸栄養といって腸から必要な栄養素を投与して摂取させたりもします。

また、膵炎が重症化して膵外分泌不全を発症している場合は、消化酵素を補うための投薬を行います。

マキ
マキ
入院治療となった場合は、どのくらいの入院日数が必要ですか?
症状や重症度によりますが、概ね1週間ぐらいでしょうか。
宿南先生
宿南先生

膵炎の重症度によって、治療内容も異なるので、入院期間は変わります。

ただ、水や食事が摂れるようになって、経過が良好であれば、ご自宅での療養と通院治療が可能になるので、平均するとだいたい1週間程度でしょう。

治療費としては、入院費がだいたい1日4000円~5000円ぐらい。

検査は内容にもよりますが、10000円~20000円、点滴で10000円ぐらいでしょうか。

ご飯が食べられるようになったとしても、一度膵炎を発症してしまうと、気を許せば再発する可能性が高い病気です。

他の臓器への合併症を避けるためにも、膵炎の重症化を防ぎ、慢性化させないことが重要です。

そのため、根本治療ではありませんが、高たんぱく・高脂肪の食事は控え、徹底的な食事管理を行わなければいけません。

6-2.犬の膵炎の予防法

犬が膵炎になってしまったら、適切な治療を行わなければいけませんが、そもそも膵炎にならないために、飼い主さんが注意すべきことがあります。

犬の膵炎の原因として、高脂肪食というのがありましたね。

当たり前のことですが、ペットとして飼われているわんちゃんは、飼い主さんから貰う食べ物でしか栄養を摂ることができません。

逆に言えば、偏った栄養を与えることで、わんちゃんを病気にさせてしまう可能性があるということです。

日ごろから、高脂肪の食事やおやつを与え過ぎていると、犬の膵炎の原因になり得ます。

そこで、犬の膵炎の予防策としては、次の3つが重要です。

  • 適切な食事(高脂肪食を避ける)
  • 太りすぎないようにする
  • 盗食・誤食を避ける
  • 運動

適切な食事とは、バランスの取れた食事のことで、総合的に栄養が摂れるものを与えるということですね。

中には、人間の食べ物をわんちゃんに与えてしまっている飼い主さんもいますが、人間の食べ物は人間より身体の小さいわんちゃんにとっては、栄養過多になってしまいます。

人間の食べ物を与えていないつもりでも、わんちゃんが盗食や誤食をしてしまうこともあるので、食事中や留守中の食べ物の管理もしっかりしましょう。

あとは、運動ですね。

散歩はわんちゃんにとってストレス発散の機会でもありますし、健康を守るためには適度な運動は非常に大切です。

7.犬が膵炎になったら(食事管理)

マキ
マキ
では、わんちゃんが膵炎だと確定診断されたら、お家で何かできることはありますか?
犬の膵炎は食事管理をしっかりすることですね
宿南先生
宿南先生

犬の膵炎は、炎症が治まったから治療が終わりというわけではありません。

もちろん、膵炎の原因によっては、通院で治療を続けていく必要がありますし、血液検査などを実施しながら経過を追っていく必要があります。

そして、膵炎になってしまったら、一番大切なのは食事管理です。

犬の膵炎は重症化させると厄介な病気なので、できる限りダメージを受けた膵臓に負担をかけないようにします。

そのために、ご自宅でできる対策法は

  • 脂肪分・糖分の少ない食事
  • 良質の脂肪
  • 高消化性たんぱく質

です。

膵炎になった犬の食事は、低脂肪・低たんぱくは必須です。

犬が膵炎を発症すると、消化酵素の分泌が低下するので、膵臓の負担を避けるために脂肪が多い食事は避けなければいけません。

高脂肪の食事を避けるとともに、酸化した脂肪分を避けることも大切です。

酸化した脂肪は身体にとって良くないので、膵炎の犬の身体にはさらに負担をかけてしまいます。

できるだけ新鮮で、質の良いドッグフードを選びましょう。

たんぱく質は身体の作る栄養素なので、摂取しないわけにはいきません。

ただ、膵炎になった犬にとっては、たんぱく質を消化するのも負担が大きいので、消化性が高いたんぱく質を選びましょう。

飼い主さんが膵炎のわんちゃんのために栄養を考えて手作りもいいですが、自分で栄養をコントロールしながら療法食を作るのは、なかなか難しいことです。

おすすめなのは、膵炎を発症した犬のために、膵臓をサポートする目的で作られたドッグフードです。

例えば、私が開発した膵臓サポートのドッグフードは、鮮度の高い鹿肉を使用して、低脂肪に作っていますし、普通のドッグフードよりも消化しやすいように作ってあります。

ご興味がある方はこちらのサイトをチェックしてみてください。

もし、膵炎と腎臓病など、他の病気も併発している場合は、どの栄養素を抑えてどの栄養素を摂取すべきか悩むところでもあるので、その場合は獣医師としっかり相談したほうがいいですね。

膵炎は治療して良くなったと思っても、膵臓がダメージを受けてしまったことに変わりはありません。

急性膵炎が慢性膵炎に移行することも珍しくないため、わんちゃんが元気に暮らしていくためには、徹底的な食事管理が大切です。

適切な食事と適度な運動が、膵炎になったわんちゃんの予後と決めると言っても過言ではないので、しっかりと管理してあげましょう。

最後に

マキ
マキ
本日は貴重なお話ありがとうございました!

ぜひ、今回の記事が、膵炎のわんちゃんをお持ちで、苦しい思いをされている飼い主の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

宿南先生は、獣医師の観点から、様々な犬の病気に有効な療法食や、日常的に食べることができるドッグフードを開発しているので、興味がある方はぜひ「Dr.宿南のキセキのごはん」のサイトをご覧くださいね。

では、またお会いしましょう!

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ABOUT US
獣医師・ 宿南章
獣医師。1969年生まれ。兵庫県養父(やぶ)市出身。 獣医師。日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 横浜で犬猫の動 物病院に勤務。 西洋医学の限界を感じ、その後、米国の最先端の代替療法を日本に導入している研究所に移籍。 オリンピック銀メダリストなど、プロスポーツ選手の食事アドバイスをしたり、北海道の農 協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、 当時抗生物質も効かない病気を 治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。 その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し、犬・猫を中心に、国内外から治療 が困難とされた動物の治療にあたる。 その後、ドッグフードとキャットフードの開発を本格的に始め、2015年に著書『薬いらずで、 愛犬の病気は治る』を出版し、Amazon、楽天ブックス、紀伊國屋WEBストアなど、17部門で 1位を獲得。